ドラねこ旅日記

ぼんやり村が産んだ「蒼き流星」ことドラねこが、旅の話やランニングについて語るブログ

山本太郎の思い出 大阪YHで出会った最後の夜

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ちわ!おいさんです。(=´▽`=)ノ

みんな、一人旅してますか?

 

一人旅・後半戦」16日目

 今回が一人旅のラスト。新大阪YHに辿り着いた時のお話です。

 

しまなみ海道から尾道で膝を負傷したわしは、

急遽・新幹線に乗って大阪に戻ることにしました。

 

今回はその時の様子から物語は始まります。

最終章・大阪 新大阪YH

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 足を引きずりつつ、尾道駅へ向かった。

レンタサイクルのターミナルで自転車を返しつつ、まだ左ひざはズキズキと傷んでいる。

 

フェリーの時間に間に合うようになんとか根性でしまなみ海道を自転車で走っていたが、その時ひざの靭帯を切ったらしく恐ろしい痛みがひざを貫いたから。

 

もう時刻は夕方。

あたりは夕日に染まり、道行く人もせわしなく見える。

 

ひとり足をひょこひょこ引きずりながら、尾道駅へと続く歩道橋を渡り(段差が特に痛い!)

目に涙を溜めながらなんとか尾道駅にたどり着く。

 

今日はどうしても大阪までにたどり着かなくてはいけない

なぜならしまなみ海道を渡る前に、もうすでに今日の宿である新大阪ユースホステルを予約しているからである。

新大阪YHは、YHにしては結構豪華な設備ですごいということを一人旅前半戦で泊まった三重県のみさきロッジYHのオーナーである感じのよいお姉さんに聞いていた。

 

これが一人旅最後の夜だ。

今まで九州に渡ってからはほとんどゲストハウスにしか泊まっていなかったから、

今回は奮発して大阪のYHに泊まってみることにしよう!

 

そしてまだ少しお金に余裕があるから、

お金が余ったら明日は大阪を少し観光してみよーっと(*´∀`*)

 

尾道駅に着いたものの…

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駅について切符を買おうと窓口に向かう。

そのとき、ちょうど電光掲示板には快速急行の文字が。

しかし一足違いでその快速は行ってしまった。

 

次の快速急行まで1時間は待たねばならない。

他の手段は普通の各駅停車か準急に乗るか。もしくは特急の新幹線のみ。

そう、尾道駅には新幹線が止まるのだ。

 

各駅や準急に乗った場合、どれくらいで大阪につくのかわからなかったので窓口で所要時間を聞いてみることにした。

 

わし「あの~、いまから大阪に行きたいんですけど、

次に来る普通の各駅停車に乗った場合、どれくらいで大阪に着きますかね?(;´∀`)」

 

案内のお姉さん「そうですね……

(ぺらぺら。と時刻表をめくる)

次の列車に乗った場合到着は11時40過ぎですね。」

 

え~!そんなにかかるの?Σ(゚д゚lll)ガーン!

今は6時を少しまわったくらい。

大阪まで5時間以上かかることになる。

 

それじゃ遅い!遅すぎるよ!

YHに聞いたら門限は11時。

11時までにYHでチェックインしないと、

その日は宿無しで朝まで過ごすハメになってしまう。

 

わし「あのすいません、できれば10時半までには大阪に着きたいんですけど、今からならそれに間に合う列車ってどれですかね?(;´∀`)」

 

お姉さん「そうですね……(ぺらぺら)今からすでに10時半までにつく列車というのは、先ほどの快速急行が最後ですね。(*´∀`*)」

 

ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!

 

マジかよ!じゃあ、さっきの快速に乗っていれば間に合ったのか!

足を痛めなければギリギリ間に合ったのに!

今日はどんだけツイてない日なんだ!

 

案内係のお姉さんに、他にも10時半までに間に合う列車を探してもらう。

しかし……

 

お姉さん「やはりあとは…ありませんね。

……他にはもう新幹線くらいですかね?(;´∀`)」

 

し、しんかんせん?!Σ(゚д゚lll)ガーン!

 

え?

最後の最後で旅情溢れる旅を、景色を楽しまずに新幹線でバビューンと帰れってか?!

 

しかし、背にハラは変えられぬ。

ここで11時までにYHにつかなければ今日泊まる宿が失くなってしまうのだ。

この痛い足を引きずりながら、右も左もわからぬ夜の街で漫画喫茶を探すのだけはゴメンである。

 

わしは涙を飲んで新幹線の切符を買うことにした。

 

わし「あの~、それでいいんで、新大阪までの下さい。おいくらですか?」

 (新幹線って行っても近くそうだから通常料金に少し上乗せして、3000円〜5000円くらいかしら?(;´∀`)

 

そんな気楽な気持ちで財布から二、三千円を抜き出そうとする。

 

お姉さん「特急料金になりますので、お会計が8000円になります。」

 

わし「は、8000円?!Σ(゚д゚lll)ガーン!」

 

あまりの値段の高さに愕然とするわし。

一瞬、断ろうかとも思ったが、もうすでにこれしか大阪に着く手段はないのを思い出し、泣く泣く別の財布から1万円札を取り出す。

 

トホホ……ここまで来てまさか特急料金に8000円を払うことになるとは(TOT)。

 

こうして、次の日の大阪観光の夢は潰えた。

 

新幹線に揺られて

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尾道駅から新幹線の到着を待つ。

 

次のこだまが来るまであと15分ほど。

新尾道駅から新大阪駅まで、だいたい山陽本線を通って、こだまで乗り換えなしですぐに到着する。

 

やってきた新幹線に乗り込み、座席に座って安堵する。

尾道駅の隣で買ったミスドを晩ゴハン代わりにパクつきながら今までの旅を思わず振り返った。

 

ああ、とんだ旅だった。思い返せばこの3ヶ月間。

途中で中断もあったけど、いろいろあったなぁ。

 

旅の始めの長野では、一発目の分杭峠ではマイナス8度の山の上で遭難しかけ、

諏訪では念願の諏訪大社と信玄の隠し湯である毒沢鉱泉を雨に打たれながらびしょ濡れになり、 松本では素晴らしい桜の景色の中、少しうんざりするほど多かった中国人に囲まれながら松本城を散策して人生初のガッカリ温泉である浅間温泉を経験した。

 

善光寺では親切なYHの初老の女性オーナーにおにぎりを作ってもらい、雪の中戸隠神社を参拝して、その後近くの温泉にもタダで連れて行ってもらったりしたっけ。

でも、こっそり宿から温泉のガイドブックを失敬してきてしまったけど、悪いことしたなぁ(;´∀`)

 

真田幸村で有名な上田城も見たし、

サマーウォーズの舞台になった別所温泉にも行った。 

13の外湯全てがタダで入れる野沢温泉なんてのにも入ったなぁ(*´∀`*)。

 

その後、安曇野に向かおうと戸狩野沢温泉駅から長野駅まで向かい、長野駅で駅員にウソをつかれて駅周辺を延々ループして足止めを食らったのはいい思い出だw

 

憧れの上高地では素晴らし景色とともに旅の大事なお供、iPhoneを落としてしまうし、おまけにその日がちょうど保証期間の一年目になっていて、気付かず旅を続けて京都でソフトバンクの窓口に持って行ったら、25000円を払って新しいiPhoneに変えてもらわなくちゃならないハメになったしなぁ。

 

名古屋では熱田神宮に参拝して、

その後人生初の伊勢神宮を参拝したのは本当に嬉しかった。

あの時ほど、この一人旅で達成感を感じたことはない。

その夜はまるで防空壕みたいな漫画喫茶に泊まったけど(;´∀`)

 

和歌山県の熊野三山をまわれたことも嬉しかった。

最後の最後で財布を落とした時はどうしようかと思ったけど、親切な駅前の軽食屋のおじさんに警察まで連れて行ってもらって無事財布が返ってきた時は本当に嬉しかったっけ。

 

あのおじさんには今でも感謝しています。

 

奈良の吉野山や奈良公園もおもしろかったし、

京都の宇治伏見稲荷・晴明神社をまわり、

天橋立を散策したのは良い思い出である。

 

城崎温泉も素晴らしかったし、

で出会ったT氏にはバックパッカー同士の本当に素晴らしい夜の語らいを出来て嬉しかった。

 

福岡では大宰府天満宮を周り、梅ヶ枝餅の美味しさには何度も舌鼓を打った。

また食べたいな(*´∀`*)

 

別府ではあまりにも居心地が良すぎてダラダラと長逗留してしまったけど、あの熱めの温泉は今でも想い出すと恋い焦がれてしまいます。

 

広島に渡って原爆ドーム平和記念公園をまわり、

念願だった厳島神社をちょうど来た時には大鳥居も修復を終えていて、その時に参拝できて本当に嬉しかった。

弥山からの素晴らしい瀬戸内海の景色、厳島の潮が引いてあらわになった姿など、思い出しても胸がいっぱいになる。

 

尾道では変わったゲストハウスの主人にしまなみ海道をサイクリングすることをススメられてひどい目にあったなぁ。

 

ほんの少し前の出来事なのに、みんな、みーんな良い思い出に変わってしまった。

 

楽しかった日々、辛かった出来事。

親切な人達に助けられて救われた思い出。

感動した出会い。

 

色んなことがあったけど、その全てが今日で終わりなのだ。

 

記憶が走馬灯のように通りすぎていく。

 

列車は、まるで光の速さのように、

夜の街をありえない早さで進んでいった。

わしにとっては早過ぎるほどに。

 

 

ああ……帰りたくない(´;ω;`)

この列車が大阪に着いてしまえば、あとはもう翌日には家に帰るための別の電車に乗り込まなくてはならない。

 

まだ終わりたくないんだ。もっと行きたい場所があるんだ。

 

まだ出会っていない、

素晴らしい景色・人・物

その全てに触れてみたいんだ。

 

お願いだから神様。

もう少し、もう少しだけ、

わしを色んな場所へ連れて行ってくれないか?(´;ω;`)

まだ、元居た場所へは、帰りたくない。

 

列車は、数多くの思い出を乗せて、無情にも大阪に到着した。

わしの夢は、バックパックの中で終わりを迎えた。

 

新大阪ユースホステルの最後の出会い

そんな風に思い出を新幹線のシートの上で振り返っていたいたら、気がつくと2時間はあっという間に過ぎ去って、新大阪についた。

 

切符を改札に通し、ナビで今日の宿を検索する。

 

夜の街を、少しさびしい思いを抱きながら目的地へと歩く。

大阪の夜だというのに一歩駅から遠ざかると、不思議な程に人がいなくなった。

 

ここは本当に大都会なんだろうか?

 

わしの心はまだ新幹線のシートの上に置き去りにしたまま。新大阪YHに辿り着いた。

 

ここがユースホステル?(゜o゜;

そこはどうみても近代的な巨大ビルだった。

なんども来るとこを間違えたんじゃないかと、あたりをぐるぐる周ってみる。

ようやく見つけたビルの案内には最上階にYHの文字が。

 

やはりここだ。間違いない。

狐に摘まれた気持ちでエレベーターを探し、10階へのボタンを押す。

景色がわしの足元に消えていく。

エレベーターは、わしを最上階の部屋へと連れて行った。

 

ドアを開けると、そこにはYHというより待合室のような雰囲気のフロントがあった。

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10階のフロント前には様々なパンフレットやPC(有料)を設置しています。観光情報の収集にご活用ください。

また、売店では歯ブラシなどの日用品やガイドブック、ポストカードなどの販売、バスタオルや浴衣のレンタルもしています。

フロントは6時から24時まで開いていますので、お気軽にお立ち寄りください。

引用元 : 新大阪ユースホステル - Shin-Osaka Youth Hostel

オドオドしながら財布からYHの会員証と、予約した自分の名前を告げる。

このYHは一般の方会員3300円で泊まれる。

って、これじゃ会員証の意味無いじゃんw

 

受付の手続きをしている最中に、ちらりと横目で室内の風景を見やると、すぐ横には8畳くらいのラウンジが、畳のフラットシートでひざより高い位置に設けられていて、壁面には本棚に漫画がぎっしりと詰まっている。

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10階のラウンジは、ソファーやテーブル、テレビが置いてありますので、ゆっくりとおくつろぎください。

奥の高床になっているリフレッシュスペースには、マンガや折り紙、ギターがおいてあります。

また、無料のWi-fiスポットもご用意しております。

2、3人の客が暇そうにごろ寝をしながら漫画を読んでいて何か小声でささやきあっていた。

 

ここは本当にホテルなのか?(゜o゜;

またしても先ほどの疑問が頭をよぎる。

 

今まで泊まったYHでは一番の高級感を漂わせたその作りに、思わずポカンとしてしまう。三重県のみさきロッジのお姉さんが言っていたことは本当だったのだ。 

嘘だと思われるなら是非、読者の方にもここ新大阪YHに泊まって見て欲しい。

泊まって見ればあなたもわかるだろう。

ここの施設の素晴らしさ、高級感は、決して3300円で泊まれるようなものではないのだ。是非この素晴らしさを他の人にも体験してもらいたい。

 

よそ見をしている間に受付は終わり、

大浴場の場所と入浴できる時間と自分の部屋の番号を教えられる。

どうやらこの階の下にある部屋が今夜のわしの泊まる場所だという。

 

 受付を左手に曲がり、長い廊下を一人歩く。

 

その様子はさながら病院のよう(なんか、ホントに病院に来たみたいだな。(;´∀`)

わしは昔小さな頃、病院に入院していたことがあるのでその雰囲気はよく覚えている。

 

しかしそれは、おどろおどろしい、消毒された緑のリノリウムに囲まれた薄暗い空間と言うような病院のステレオタイプなイメージではなく、近代的な高級感あふれる大学病院に来たというような感じ。

 

そんなどこまでも清潔で、今までで一番広く近代的な雰囲気の建物だった。

階段を渡って下の階に降りていく。下にも同じような長い廊下があった。

 

自分の部屋をのぞき込むと、綺麗な部屋の中には4つほどのベッドが設けられていて、そこにはすでに他のお客さんの荷物が置かれていた。

 

(…なんだ、相部屋か(;´∀`)

 

わしが泊まった部屋はドミトリー

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  • タイプ 男女別の相部屋
  • 料 金 1泊3,300円(1名様)
    【4月以降 1泊3,400円(1名様)】
  • 定 員 6名
  • アメニティ スリッパ
  • 設 備 鍵付きロッカー、個人用コンセント、洗面台
 2段ベッドが2~3台ある定員6名様のお部屋です。
2段ベッドが2台のお部屋は畳のスペースにお布団を敷いていただきます。
客室は9階にあり、南向きのお部屋は大阪市内の夜景が、東向きのお部屋は生駒山地の辺りから昇る朝日がきれいです。

最後の最後くらいドミトリーの部屋を、自分ひとりだけで占領してみたかったが、ここは大都会・大阪。おまけに安くて広くて清潔な宿に他のお客が泊まらないわけはない。

 

他にもこのYHにはツインルーム

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  • タイプ 洋室
  • 料 金 1泊9,000円(2名様)
    (1名様あたり4,500円)
    【4月以降 1泊9,200円(2名様)】
  • 定 員 2名
  • アメニティ スリッパ、タオル、バスタオル、歯ブラシ
  • 設 備 バス、トイレ、テレビ
 ベッドが2台あり、バス・トイレがついた定員2名様のお部屋です。
個人の方のおひとりでのご利用はしていただけません。
基本的には2名様で、同性の方やご家族様のみのご利用となります。
ただし、団体の方には、グループのリーダーや先生用として、特別料金にておひとりでご利用いただいております。
客室は9階にあり、東向きのお部屋ですので、生駒山地の辺りから昇る朝日がきれいです

和室

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  • タイプ 和室
  • 料 金 1泊18,000円(4名様)~
    (1名様あたり4,500円)
    【4月以降 1泊18,400円(4名様)~】
  • 定 員 6名
  • アメニティ スリッパ、タオル、バスタオル、歯ブラシ
  • 設 備 バス、トイレ、テレビ
 6畳2間の和室と、バス・トイレのついた定員6名様のお部屋です。
ご家族様やグループ旅行、団体のリーダーの方のお部屋として人気があります。
基本的には大人4名様以上でお使いいただいていますので、ご利用料金は18,000円からです。

身障者用の部屋もあったりする

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  • タイプ バリアフリールーム
  • 料 金 1泊3,300円(1名様)
    【4月以降 1泊3,400円(1名様)】
  • 定 員 2名
  • アメニティ スリッパ、タオル、バスタオル、歯ブラシ
  • 設 備 バス、トイレ
 2段ベッドが1台あり、身障者の方と付き添いの方の2名様まで泊まれるお部屋です。
バスとトイレは身障者の方向けに作られています。

 

こんなにいろんなタイプの部屋が用意されたYHは珍しい。

さすが大都会・大阪ならではのYHである!

 

(まぁ……しょうがないか。(;´∀`)

 

 部屋に荷物を置いて、同じ階の食堂行ってみる。 

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 10階の食堂は座席数は最大88席で、大阪市内方面が見渡せ、夜景もきれいでおすすめです。

テレビや無料の給茶機、ジュースの自動販売機もありますので、ゆっくりとおくつろぎください。

食堂には5、6人の人が席に座ってなにやらめいめいに話し込んでいた。

他にもこの食堂の奥には、

 

自炊コーナー

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食堂の奥に個人のお客様向けの自炊コーナーがあります。電磁調理器、電子レンジ、トースター、冷蔵庫が備えてあります。

また調味料もご用意しています。

もあったりする。お茶などはセルフで飲み放題だ。

食堂の一つのテーブルには、さっき自炊したらしい食器が、まだ洗われずに三つほど置かれていた。

 

おもわず覗き込むと、

 

「すんません!

後で僕らが片付けますんで!そのままにしといてください!」

 

と、奥の席でまだ中学生らしい二人と話し込んでいた30代くらいの山本太郎そっくりの男性が、元気な大阪なまりの声で話しかけてきた。

 

内心びっくりしながらも部屋に戻り、(風呂にでも入ろっ!)と、着替えを持って階段を渡ってフロントの横にある浴室に向かう。

 

だだっ広い大浴場

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10階のお風呂には、シャンプー、リンス、ボディソープはありますが、タオルなどはお持ちください。浴室内のシャワーは10本、脱衣所のロッカーは24個あり、浴槽も大きいので、24名様までは一度にご利用いただけます。

また男女とも個室のプライベートシャワーを1室ずつ備えています。

浴室は最大24人まで入れる大浴場

その大きさに度肝を抜かれつつ、服を脱いで中に入る。

 

浴室にはわし以外にも2、3人の人がいて、わしは体と頭を洗い、痛いひざを引きずりつつ湯船に浸かると他の人はほとんど出て行ってしまった。

 

浴室にはワシ一人。のんびりした気持ちでお湯を楽しむ。

 

(はぁ…疲れた。今日もなんだか、一日ひどい目にあったなぁ(;´∀`)

 

痛む左ひざをさすりつつ、少しぬるめのお湯が今日一日の旅の疲れを癒やす。

最後にすごい風呂に浸かれたな。体を拭いつつ服を着る。

 

ちらりと浴場の横を覗くと、そこにはランドリーなんかもある。

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10階の浴室の手前に男女それぞれランドリーがあります。それぞれ洗濯機と乾燥機を2台ずつ設置しています。

洗濯は1回200円、乾燥は2時間100円で、フロントにて洗剤を50円で販売しています。

これはすごい。(゜o゜;

至れりつくせりではないか!

 

風呂からあがり、フロントを横切ったラウンジの前には、さっきはなかった台の上に、大量のカップと共に紅茶のTパックとコーヒーとお湯の入ったポットが置かれていて、

 

「ご自由にお飲み下さい」 と書いてある。

 

え?まじで?

これ、無料(タダ)で飲んでいいの?(゜o゜;

 

思わぬサービスにあっけにとられながらも、遠慮なくカップをとって紅茶のTパック取り出し、お湯を注ぐ。台の上にはスティックタイプの砂糖も置かれてあって、甘党のわしには嬉しい配慮である。

 

山本太郎似の大人と

ごくごくと風呂で失った水分を紅茶で補給しつつ、下の階に戻って自分の部屋に着替えを放り込んで食堂に向かう。

 

食堂にはさっきいた5、6人の姿はほとんどいなくなり、窓際にはまだ山本太郎似の男が、中学生らしき人たち相手になにやらこんこんと話している。

 

一体、あの人達はなんなんだろう?(゜o゜; 

おまけにさっき片付けると言っていた食器はまだテーブルの上に置かれたままでいるし、不思議に思いつつ、そのテーブルに近づくと、

 

「すんません!

後で片付けますんで!そのままにしといてください!」

 

と、先ほどの男性が同じ言葉をまたわしに言い放った。

 

(そんな大きな声で、何度もおんなじこと言わなくてもいいじゃないか!(;´∀`)

内心イラッとしつつも、部屋に帰る。

 

はーっと息をついて自分の部屋で荷物を整する。

それにしてもあの山本太郎似の男はなんなんだ?

窓際に近づいてカーテンを開けてみた。するとそこには、大阪の夜景が。

 

うわぁ、すごい。(゜o゜;

ここはやはり大阪なんだ。わしはいま、大都会に来ているんだ。 

しばらくその景色を眺めていた。

 

明日はいよいよ、静岡に帰るのか。

しんみりと感慨にふけりつつ、ベッドに戻って明日の準備をしてみる。

 

すると、部屋の扉が思わず開いて、さっきの山本太郎が部屋に入ってきた。

 

わし「あ、どうも(゜o゜;」

太郎「あ、これは、先ほどの…(;´∀`)」

 

山本太郎とわしは相部屋だったのである。

 

(うわぁ、よりによってこいつと……(-_-;)

 

内心毒づきながら、山本太郎似の男の顔を横目でしげしげと眺める。

 

やはり似ている。

この男の顔を山本太郎そっくりだ。

本物の山本太郎の方が顔は男前だが、このおっさんは雰囲気が山本太郎そっくりなのである。

 

そう思いながら、この男を観察していると、山本太郎は自分の荷物を片付けながらふいに、

 

太郎「さっきはすいませんでした。

失礼ですが…お名前は?お名前はなんて言いはりますか?」 

わし「あ、ドラねこというものです。

一人旅をしていて、今日はここに泊まることにしたんです」 

太郎「ドラねこさんですか。一人旅、いいですな(*´∀`*)

自分は小学校の教師をしているもんですから、ああやって教え子たちと明日のために遅くまで話し合っていたんです。今までどちらを周って来られたんですか?」

わし「あの、静岡から北は長野、愛知から三重県に向かって和歌山を通り、奈良から京都へ抜けてそれから九州に行って、別府から広島を周って今日、大阪に着いたんです。」

太郎「広島!いいとこですな、広島。

僕もあそこは大好きなんですよ。街もキレイで良いとこでしょ?僕ももう何度もあの街には行ってるんですよw(*´∀`*)」

わし「あ、そうなんですか。(゜o゜;

…それにしてもよくここには来られるんですか?」

太郎「実は明日、生徒らが中学の受験があるもんですから、自分は付き添いで明日に備えてここに泊まりに来たんです。受験するとこがここから近いもんで(*´∀`*)」

 

なんと、山本太郎先生だったのだ。

 

太郎は教え子のために、わざわざ自費でこのYHの部屋を取り、

明日に備えて最後の受験の心構えを話していたらしい。

 

わし「・・・た、たいへんですね、受験とは。それにしても受験ですか。(;´∀`)

…生徒さんもいろいろ大変ですね。」

太郎「確かに大変なんですけど、彼らはまだ恵まれていて、

いま大阪には親の経済事情で進学出来ない子はいっぱいおるんですよ。

 

わし「え!?そうなんですか?(゚д゚lll)

家が貧乏だとか…?」

 

太郎「貧乏ってのもあるんですが、今はどこも景気が悪いでしょ?

大阪は特にこの十年ぐらいでダメになってしまって、だから進学どころか義務教育の時点でどんどん学校を辞めはる子がぎょーさんおるんですわ」

わし「・・・・・そうなんですか。(・_・;)

でも、大阪って言ったら大都会でどこにでも仕事がありそうな感じがしますけど…(;´∀`)」

太郎「昔はね。

大阪っちゅうたらどこも栄えていて、景気もよかったんですけど、今ではここ10年くらい大阪もどんどんサビレてしまいました…さっきどちらからここまで来られました?

新大阪駅?

でしたら見たでしょ?新大阪駅のまわりでベンチとかに寝そべっている人達を。」

 

わし(いや、わしはここに来るのに必死でそこまでは注意深くは見てないけど、

……確かに言われてみたらそんな人達もいたかな?(;´∀`)

 

太郎「あそこら辺には、いま職がなくて昼間からぶらぶらしている人たちが大勢いるんです。夜になると人知れずその日眠れるところを探してまたあちこちに行ってまうんですけどね。大阪は……ほんとうにサビれました」

 

そう、肩をおとして太郎氏はつぶやいた。

 

わしは信じられなかった。

大阪と言ったら古くから商業の街として栄え、今の今まで東京と肩を張るくらいに繁栄している大都会だと思っていたのに…太郎氏に言わせると、いま大阪では職を失くしヒマを持て余している人たちで溢れているという。

 

太郎は、何か自分のカバンから取り出し、さっきわしが座って夜景を眺めていたテーブルの上でなにやら書き物を始めた。

 

太郎「僕らの生徒にもそうした親御さんを持つ子がいっぱいいましてね。学校、辞めていくんですわ、授業が払えないって言ってね。

僕らとしてもどうにか義務教育だけは受けさしてあげたいんですけど、親御さんの方でもうお金に余裕が無いから辞めたいってよく相談されるんですよ。 

……そうした子たちはね、筆記用具も買えないんですよ。

ノートも鉛筆も持ってないんですけど、よく勉強するんです。

僕が見かねて鉛筆を貸したりすると、こーんな(指先で1cmほどを指す)になるまで大切に大切に使って、紙もどこかの切れっ端にいっぱい字を書いて、真っ黒にして必死にこっちが言ってることをメモをしているんですよ。

 

そういう子らはね。ものすごく勉強するんですよ。

本人たちは勉強する気持ちがあるんです。

 

でもね、親御さんの方が家計が苦しいからって言って、どんどん辞めていくんですわ。

そんな子たちが、どのクラスにも5、6人はいるんですよ。」

 

山本太郎は、切々と今の小学校の現状を語っていった。

そこから語られる言葉は、わしの想像もつかないほどの今の大阪の様子だった。

最近では子供の貧困が問題になっていると聞いていたが、大都会の大阪でもこれほどまでひどい貧困が進んでいるとは……

headlines.yahoo.co.jp

太郎は書き物をしている手をふっと止めて、

先ほど持ってきた缶ビールを開けてゴクゴクと喉を鳴らして飲み込んでいった。

 

太郎「はーっ・・・・・・!

(缶ビールを見つめて)

僕はね……もう疲れました(;´∀`)

 

そうした子らをたくさん見つめてきて、

ホントに今の僕の職業がイヤになってしまいましてね。

 

実は僕……教師を辞めよう思ってるんです。

だからこうして、(持っている本を指差し)

暇があると司法試験の勉強をして、今、弁護士になろうと必死に勉強しているんですわ。

 

その方が、世の中の困った人たちを、もっと助けられるんじゃないかなっと思って……」

 

山本太郎は、

思いつめた表情で司法試験の参考書を見つめ、また一気にビールを流し込んだ。

 

太郎「ドラねこさんは、またどうして一人旅なんかを?」

 

わしは、そんな風に太郎氏に促されて、今までの旅をするまでの顛末を聞かせた。

東京の大学に進学したものの、卒業できずに派遣社員になりながら職業を転々としたこと。

ブラック企業に就職したり、腰を痛めて以降、地元に戻ってきて100円ショップでアルバイトとして働いてきたこと。

そしてその仕事も、ある日同じバイト仲間の理不尽な仕打ちでいきなり解雇され、堪らずに今の状況を変えるために一人旅を始めたことなど、そうした今までのわしのダメな人生を、ポツポツと語った。

すると突然、

 

太郎「それはひどい!

人をそんなになるまでこき使っておいて、それで「はいそれまで」なんて!

その会社はずいぶんひどいことをドラねこさんにしましたね!

ドラねこさんも、これまでずいぶん苦労されたんですね。

 

でも大丈夫ですよ、これからはそれだけ色んなひどい目に合われたら

きっと人生、うまく行きますよ(*´∀`*)」 と、言われた。

 

わしはその言葉に、思わず涙がこみあげてきた(´;ω;`)

 

今まで東京に一人暮らしをしてきて、

大学や色んな職場で多くの人に会ってきたが、

そんな人たちに今みたいな暖かい言葉をかけてもらったこと一度もなかった。

 

誰からも同情などされず、親からも半ば呆れられて、今の今まで自分の人生を自己責任で生きてきた。

 

そんな自分に、見ず知らずの赤の他人である自分に、太郎氏は心底同情してくれた。

そして、暖かい言葉でかけてくれた。

 

もしかしたら、

この一人旅で一番の収穫はこの言葉に出会うことだったのかもしれない。

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太郎「大丈夫。

ドラねこさんはきっと苦労した分、幸せになりますよ。

 

わし「……ありがとうございます(´;ω;`)

先生もきっと幸せになりますよ。勉強頑張ってください。

司法試験……受かるといいですね(/_;)」

 

涙で震える声を、押し殺して、わしは太郎さんにそう声をかけた。

 

こうして夜も更けて、太郎氏はビールを飲み干すと電気を消し、二人とも床に入った。

(ありがとう、太郎さん。あなたも幸せになりますように。そして、脱原発頑張ってください!)

 

そう、心のなかで願いつつ、

わしらはお互いそれぞれの夢の中へと落ちていった。

 

大阪で会った山本太郎は、案外良い人だった。

 

17日目 大阪の朝を迎えて

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朝起きてみると、

隣のベッドにいたはずの山本太郎の姿はなかった。

きっと朝早く生徒たちのために荷物を持って出て行ったのだろう。

 

わしも洗面所で顔を洗い、

昨日買ってきていた朝飯を食って歯を磨くと、

荷物を整えて新大阪YHをチェックアウトした。

 

ありがとう、新大阪YH。

最後に良い出会いが出来ました。

 

ほんのわずか、お互い言葉を交わしただけだけど、心の底に何か通じるものを感じることができました。最高の出会いでした。

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重いはずのバックパックをこの日何故か軽いように思われた。

そんな荷物を背負い、意気揚々と新大阪駅のホームに向かう。

 

昨日までの感傷的な気分がウソのように、今日はもう、静岡に帰ることが怖くはない。

 

思えば色んな人と出会った。

多くの良い出会いに恵まれ、助けられてきた旅だった。

その旅がようやく終わる。

 

 なんだか、この旅で色んなモノを掴んだ気がする。

 

これでわしは大きくなれたかな?(=´▽`=)

 

もちろん答えはわからない。

でもこの経験は絶対ムダにならない。 

そんな、わずか3か月の旅だった。

 

それでもわしは歩き出す。これから自分の道を見つけるために。

 

静岡行きの切符を買い、

改札をくぐり抜けて、ホームへと足を運んだ。

新しい風が、吹いたような気がした。

 

長い間、ご愛読ありがとうございました。

 

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